アンユージュアルNTの基本
                                       基本解説001号 
  
オポーネントの1の台のオープンに対するNTでのジャンプオーバーコール、いわゆるアンユージュアルNTは 
ステイマンコンベンション並みに誰でもが使うコンベンションであるが、意外にいい加減な使われ方をしている。 
以下に標準の考え方を示しておくので参考にされたい。   
  
#1 2NTへのジャンプオーバーコールは5−5又は5−6の2スーターを示す。   
   2スーターがアンビッドの2ローワーを示すか又はオープニングスーツに係わらず両マイナーを示すかは 
   取り決めによる。5−4では絶対にビッドしてはいけない。   
  
#2 通常は2スーターのプリエンプティブである。すなわち下記の2条件を満たす必要がある。   
    @ オープンの強さはない事。  A ディフェンシブトリックは2以上ない事。   
   オープン出来るか又はディフェンシブトリックがある時はスーツオーバーコールすべき。   
   ジャンプ2NTで手は全て示したのだから以後2度とビッドすべきではない。   
  
#3 2スーターのスラムトライの場合も有る。   
   この場合はアドバンサーが選んだスーツを次にレイズする事でこれを示す。   
   レスポンダー(オポーネント)がレイズしてアドバンサーがパスした時はもう一度NTビッドしてこれを示す。 
  
#4 3NTへのジャンプオーバーコールは「やりたい」であって通常はソリッドマイナーを示す。   
   残りの3スーツの内、少なくともオープニングスーツを含む2スーツにストッパーが必要である。 
  
#5 4NT、5NT、6NTへのジャンプオーバーコールは2スーターの強いプリエンプティブである。 
   バルネラビリティ条件が良くディフェンス力がない事が条件で5−6、6−6、6−7のディストリが必要。 
       
#6 以下の例で感覚を掴んで下さい。   
      
    S:7         アンユージュアル2NTの典型例。3つの条件を全て満たしている。   
    H:95        @5−5スーツAオープン出来る強さはないBディフェンス力が欠如 
    D:KJ986     パートナーにC/Dで3枚か4枚のフィットがあれば   
    C:QJT85     相手のメジャーコントラクトに勝てるトリックは充分稼げるだろう。   
  
    S:7         この手ではジャンプ2NTビッドしてはいけない。ディフェンス力が強すぎる。 
    H:5         前例での@Aの条件は満たしているがBの条件を満たしていない。 
    D:AJ943     この手で2NTビッドし相手がゲームに行った場合、   
    C:AJ8765    ゲームが落とせてもパートナーがそれをセーブしてしまう事になる可能性がある。 
  
    S:7         この手は2NTには強すぎる。Dでオーバーコールして次にCを紹介すべき。 
    H:86        これでアンユージュアルを間違って使うとパートナーは相手にゲームがあると思って 
    D:AKJ84     ファントムサクリファイスをしてしまうだろう。   
    C:KQJ65   
  
    S:73        こういった手でどれだけ多くの人がジャンプ2NTビッドをしてきた事だろう。      
    H:J4        確かに点数レンジは正しいがパートナーは2−2や3−3マイナーで3Cビッドする。 
    D:Q9854     ダブルをかけられて6枚フィットや7枚フィットでやらないといけなくなる。 
    C:KQJ2   
  
    S:A4        この手はマイナーでスラムが十分ありうる。   
    H:−         2NTジャンプビッドしてパートナーがスーツを選んだらそれをレイズする。 
    D:AQJ54     相手がプリエンプトをかけても5Cビッドし手を示すべきだ。(C6枚が伝わる) 
    C:KQJ983    マイナーが同じ枚数だったら4NTで再テイクアウトする。   
  
    S:7         これはものすごいオフェンシブな手でディフェンスに回ったらゼロに等しい。 
    H:−         バル条件やパートナーがパストハンドかどうか等によって   
    D:KQJ954    4NTか5NT。6NTですら正しい可能性がある。   
    C:QJT963   
  
    S:K5        1Sオープンには3NTオーバーコールする。   
    H:A62       SリードでオポーネントがAで取ってDにシフトできれば3NTは落ちる。 
    D:4         1Hオープンでも3NTオーバーコールすべき。   
    C:AKQJ863   Hリードで8トリックしか取れないのでできめは苦しいが。   
  
基本解説シリーズ                                                     更新日 2001.2.15