1Cオープンに対するレスポンス 基本解説003号 #1 1Cオープンに対するレスポンスにおいて、メジャー優先として知られる、いわゆるウォルシュシステムは、 あたかも5枚メジャーオープンが4枚メジャーオープンに比べてその情報量が格段に多くなった如く、 標準システム、いわゆる下からビッド、と比べて1回のビッドでより多くの情報量を得る事が出来る。 以下にこの点に着目してウォルシュシステムを紹介する。 #2 1Cオープンに対し、ウォルシュシステムではオープン点なければ例えDが5枚あっても4枚メジャーを 優先してレスポンスする。 この為、1C−1Dのビッドシーケンスの場合には、レスポンダーには4枚メジャーがない事がわかる。 #3 従ってオープナーは、4枚のメジャーがあっても弱いバランスハンドでは1NTとリビッドする事が出来る。 又マタ、逆に1C−1Dに対しオープナーがメジャースーツをリビッドしたら、 それはオープナーの手がアンバランスである事を表わしている。 #4 このように、特に1C−1D及びそれに続く1C−1D−1NT、1C−1D−1H/1Sのシーケンスは、 両システムで大きく意味が異なる事になる。 標準 ウォルシュ 1C−1D Dが4枚ある事のみ 4枚メジャーがない 1C−1D−1NT 4枚メジャーがないBH 4枚メジャーを否定しないBH 1C−1D−1H/1S メジャーが4枚ある事のみ ハンドはアンバランスである #5 ウォルシュシステムで1C−1D−1Sとなった時はオープナーのCは通常5枚以上ある。 考えられる分布はバランスではないことから5422、5431等あるいはそれ以上のはず。 4枚で考えられる分布として4441があるが、4144であれば通常は1Dオープンであろうし、 4414であれば1C−1D−1Sではなく1C−1D−1Hであるゆえ、C5枚の確率は極端に高い。 #6 上記のメリットを例示すると、1C−1D−1Sの後のレスポンダーリビッドは S:A7 H:864 D:AT74 C:9743 何ら問題なく2Cビッドできる。 パートナーはアンバランスでCは5枚あると言っている。 S:KQ5 H:653 D:86542 C:K5 2Sで何ナニか問題ある? パートナーには貴方アナタが3枚である事は分かっているのだから。 S:A H:Q75 D:976532 C:JT6 C8枚フィットが分かっているのだから確実でない2Dよりは2C。 #7 更にウォルシュシステムのメリットとしては、オポーネントのオーバーコールが入った場合が挙げられる。 オープナー S:863 H:AK74 D:8 C:AQT65 レスポンダー S:92 H:QJ93 D:QT654 C:J8 上記の例では1C−P−1D−1Sと進んだ場合Hのフィットは永久に見つからない。 ウォルシュシステムでは1C−P−1Hゆえ問題ない。又、例えばオーバーコールがHの場合でも、 1C−P−1D−2Hとジャンプされた場合のSフィットについても同様である。 #7 以上、ここではウォルシュシステムのメリットをあげた。どのシステムにも長短あり、 それぞれの長短を理解した上でどれを採用するかは好みの問題である。 尚、オープン点ある場合のビッドについては別の場に譲り、ここではオープン点ない場合のみ議論した。 基本解説シリーズ 更新日 2001.12.27