アンユージュアルNTの補足 基本解説004号 NTオーバーコールがナチュラルなのかアンユージュアルなのかについて、若干の混乱が見られる。以下に整理するので参考にされたい。 #1 相手の1の台のオープン直後の1NTはナチュラル、ジャンプ2NTがアンユージュアルであることはHCBL解説001号に述べた。 #2 LHOが1オープンしパートナーがパス、RHOがアナザスーツを1レスポンスした後の1NTはやはりナチュラルにするのが良い。 相手に20点近くあるため既に3NTはありえないとの判断で、この1NTをアンユージュアルとする考え方(サンドイッチNTという) もあるが、これはメリットよりもディメリットの方が多い。こちらに3NTがある場合が十分考えられる。 アンユージュアルははやり2NTにジャンプして示せるし、アナザ2スーツだけであればダブルで十分伝えることが出来る。 #3 但しパストハンドの場合は話が違う(P−1D−P−1S−P−の後)。 この場合の1NTはストロングポイントは持ち得ないのでアンユージュアルとして使うことが出来る。 #4 オポーネントが1メジャーオープンしレスポンダーがシングルレイズした場合の2NTオーバーコールはアンユージュアルである。 相手のスーツがフィットしているのに最終コントラクトとしてNTを選ぶことは稀であろうとの判断による。 もしストロングハンドである場合にはダブルで残りスーツのフィットを探すことが十分に出来るはずである。 #5 #4のケースでバランシングポジションの場合(1S−P−2S−P−P−の後)の2NTはやはりアンユージュアルではあるが 下のランクのスーツで競合したい(通常のアンユージュアルNTの条件を満たさないが)と言う意思を表す場合がある。 例:S:xxxx この手で1S−P−2S−P−P−と来たら。 H:x パートナーはSが短くHが長いことは明らかだが、マイナーのどちらかで競合したい。 D:KQJx ここでダブルを掛けるとHは戻ってくるのは明らか(ひどい場合は4Hもあり得る)。 C:AQTx ダイレクトポジションではこの手を表すコンベンションは無いが、バランシングでは2NTでOK。 #6 相手の1の台のオープン後P−Pと来たバランシングポジションの場合のNTオーバーコールはまったく違った意味になる。 混乱しないように。1NTは10〜14HCPのバランスハンドを示す。 通常のストロング1NTオーバーコールの手をもっている場合はまずダブルしてからNTビッドして示す。 2NTオーバーコールはアンユージュアルではない。19〜20HCPのバランスハンドを示す。 「バランシングポジションでのウィークジャンプはあり得ない。」はブリッジにおける公理である。 #7 以下、例題を示しておく。 S:K93 この手で1オープン−P−Pと来たらバランシングしたいよね。 H:A5 1S、1D、1Cオープンに対しては1NTが良い。 D:QJ83 1Hオープンの場合はダブルの方が良いだろう。 C:JT62 S:KJ975 貴方がディーラーでパスした後LHOが1CでオープンしパートナーパスでRHOが1Hレスポンスした。 H:K4 この手なら1NTでS/Dの2スーターを示せる。 D:QJ873 アンパストハンドだったらこの手を表すには2NTとジャンプしなければならない。 C:9 S:AK953 この手でパストハンドはあり得ない。ディーラーなら必ずオープンするだろう。 H:84 LHOがディーラーで1Cオープンし、1Hレスポンスの後、 D:AT983 この手はディフェンスの力があるのでアンユージュアルNTよりはダブルが良い。 C:2 S:KJ86 オポーネントの1Cオープンに1Hレスポンスがあった時、この手では H:K3 パストハンドであろうが無かろうが、テイクアウトダブルが良い。 D:A7643 アンビッド2スーツにサポートありディフェンスバリューもある。 C:87 S:AQ5 LHOがオープンし2パスで回ってきた時、この手では2NTオーバーコール。 H:KQ7 バランシングポジションでのウィークジャンプというビッドはない。 D:AJ6 C:KJ87 S:KQJ963 LHOの1C、1D又は1Hのオープンにバランシングの場合は2Sビッドする。 H:A4 アンユージュアルNTとは無関係だが、バランシングポジションでのジャンプは良い手を示す例。 D:A943 C:3 S:KJ4 LHOのオープンでバランシングポジションの場合、1NTビッドしてはいけない。 H:QJ83 1NTオープンの手の場合は、バランシングではまずダブルしてからNTビッドする。 D:A96 C:AJT HCBL解説シリーズ 更新日 2001/2/20