2/1フェロシアン解説(その5)
                                 (1s-2c-2n後のレスポンダーリビッド)

(2)レスポンダーリビッド(d)1s-2c-2nの場合
最優先ビッドはやはりsサポートであるが、今回既に2nが使用済みであり、
キャッチオールスペースが無いので、sフィットサインオフに3nを使うことが出来ない。
この為sフィットサインオフには4sを使わざるを得ない。つまりその後のスラムトライでコントロール確認を諦める。

2nオープナーは5332/5323/5233のバランスハンドだけなので、レスポンダーリビッドは下記となる。

1s-2c-2n-3c  c5枚
        -3d  cフィット(6+枚)
        -3h  h5枚(cは6枚)、スラミッシュ
        -3s  sサポート(2枚)のスラミッシュ
        -3n等 フィットなしntパターン
        -4s  sサポート(2枚)のサインオフ

3c,3dの場合は、これまでに出てきた3cnfp及び3dcfpが使用できる。
3hについてはhフィット(3枚)の場合とcフィットの場合を、(その4)同様に使い分けるが、
今回は必ずどちらかがフィットするので、nt用のビッドスペースがhフィットのコントロール確認に転用できる。

-3h  h5枚、c6枚のスラミッシュ(6L〜を仮定)
   -3s cフィット(2枚)、hフィット否定
      -3n サインオフ(6L)
         -4c キュービッド(6L〜、dコントロールなし) 
         -4d kbrkc(6L〜、dコントロールなし) 
      -4c キュービッド(5L〜、dはあり)
      -4d kbrkc(5L〜、dコントロールあり)
   -3n  hフィット(3枚)のサインオフ(〜7L)
   -4c  hフィット(3枚)のキュービッド(6L〜、cコントロ-ルありdなし)
   -4d  hフィット(3枚)のキュービッド(6L〜、cコントロ-ルなしdあり)
   -4h  【使用しない】
   -4s hフィット(3枚)のkbrkc(6L〜、cdともコントロ-ルあり)

ここでこれまで3n等で表示してきたスーツフィットがない場合(一部見つけられない場合を含む)のntパターンについて解説しておく。
1s-2c-2n-3n等を例として記載するが、フェロシアンではバランスハンドではなくても、
スーツフィットがない場合やマイナーフィットがあってもスラムトライ条件が整わない場合もntパターンとなる。

スーツフィットサーチの為に3の台までのビッドスペースを使うことから、3nビッドで始めてntを志向することが決められる。
従って3nをフルレンジにするとその後のスラムトライが成立しないので、レンジを区切る必要がある。
レンジを区切ると言うことは逆にスラムがないのが分っていても3nに止まることができない危険性を伴う。

フェロシアンではこれを許容し、ミドルとウィークで3nではなく4nで止まることを是とするものである。
レンジの区切りは3点刻みで下記とする。

1s-2c-2n-3n ntパターンビッド(13-15)
        -4c ntパターンビッド(16-18)
        -4d ntパターンビッド(19-21)
        -4n ntパターンビッド(22-24)
        -7n ntパターンビッド(25- )

24点以上で7nになっているのは、オープナーがミニマム(12点)でも37点になるからである。
22-24の4nに対しては、6nは確実である。

1s-2c-2n-4n ntパターンビッド(22-24)
           -5n 13-14 7nインビテーション
           -6n 12   サインオフ
           -7n 15-

19-21の4dについても特に問題はない。オープナーミニマムでも4nインビテーションできる強さである。

1s-2c-2n-4d ntパターンビッド(19-21)
           -4n 12-13 6nインビテーション
           -5n 16-17 7nインビテーション
           -6n 14-15 サインオフ
           -7n 18-

ミニマムの3nの場合も特に問題になることなくビッドを収めることが出来る。

1s-2c-2n-3n ntパターンビッド(13-15)
           -p  12-17 
           -4n 18-19 6nインビテーション
           -5n 22-23 7nインビテーション
           -6n 20-21  サインオフ
           -7n 24-

唯一問題になるのは4c(16-18)の場合である。この場合は

1s-2c-2n-4c ntパターンビッド(16-18)
           -4d 12-14 
              -4n サインオフ           
           -4n 15-16 6nインビテーション
           -5n 19-20 7nインビテーション
           -6n 17-18 サインオフ
           -7n 21-

要するに、レスポンダーが16-18でオープナーが12-14の場合に3nでプレイ出来ずに4nになってしまうと言うことである。
ミニマム・ミニマムでも28あるので、後は技術でカバーできることにする。
なお、このntパターン議論の点数はhcpではなくアクティブストレングスで計算するものとする。

上記において、点数レンジはレスポンダーは13以上、オープナーは12以上として計画した。
従って、3n等をレスポンダーからではなくオープナーから始める場合には、
開始側は1点引き、答える側は1点足して計算する必要が有る。

2014.3.25 作成