■サンプル@BBO 1S−2C実例集
2オーバー1ビッド解説(その1)
                                                 ハーディー教解説0015号

2オーバー1ゲームフォーシングビッドは今やスタンダードとも言えるシステムとなっているが、
ともかくゲームまでパスはない、と言うだけが約束事で後は適当、という人が結構多い。
2オーバー1ビッドでゲームは確定しているのだから、2オーバー1の真髄はスラムトライにあるべきであり、
そのためのその後のシーケンスが重要である。

#1 2オーバー1ビッドのパターンは6種。1M−2mが4種類に1S−2Hと1D−2C。
   このうち1M−2mが標準となり、他の二つは大きく異なる体系になる。

ここではまず1S−2Cを取上げて以下話を進める。

#2 それぞれのハンドの特徴を少し整理しておくと、1Sオープナーの約72%がS5枚である。
   従って28%は6枚以上のSを持っている。またCフィット(4枚以上)の頻度は約21%ある。

   また2Cレスポンダーはと言うと、Sを3枚持っている確率は55%もあり、更に33%がS2枚持っている。
   一方H4枚持っている確率は38%あるが、その内Sが1枚以下なのは8%に過ぎない。
   Cは5+枚が48%。52%が4枚以下であるが、その内の35%(相対的に67%)にはSが3枚ある。
   
(H25.10.15追記) 全体としてSフィットは65%、Hフィットは10%、Cフィットは39%、Dフィットは9%である

   またC3枚というのは3433の場合のみであるので、必ずSも3枚ありSスーツになる為C3枚は意識しなくても良い。
     
#3 2オーバー1の第1の論点はオープナーリビッドのキャッチオールビッドを2Sにするか2Nにするかである。
   
   前者の場合は
   2S キャッチオールビッドで、S6枚を保障しない
   2N アンビッドストッパー保障のミニマムバランスハンド
   と言う組み合わせになり、2Sをミニマムハンド以上でも使用する人もいる。

   後者の場合は、逆に
   2S S6枚保障のミニマムハンド
   2N キャッチオールビッドでアンビッドストッパー保障しない
   となり、2Nをバランスハンド以外にも使用するケースも出てくる。

#4 筆者はハーディに従いこれまで前者でやってきたが、今回2011年のハンドレコード分析の結果、後者に鞍替えをした。
   理由は、S62フィットが結構な頻度があり、62フィット後のスラムトライを優位に進めるため、が第1。
   2Nのキャッチオールビッドが意外と限定されること、更にはストッパーなしでもいいんじゃないか、が第2。
   (よく考えれば1Nオープンの時なんか3Nに行くのにストッパ確認なんてしてないやん。)

#5 オープナーリビッドは下記となる。
 
   1S−2C−2D D4枚
        −2H H4枚
        −2S S6枚のミニマムレンジ(3Sビッド出来ないインタミディエイト範囲を含む)
        −2N キャッチオールミニマム又は3Nを超える範囲のバランスハンド
        −3C Cサポート(通常4枚)
        −3D Cサポートのスプリンター
        −3H Cサポートのスプリンター
        −3S S良い6枚の強い手
        −3N 1Nオープン相当のハンド

    優先順位は、H4枚>S6枚>Cサポート>D4枚とする。・・・(2012.11.6 優先順位再変更)
    (アナザメジャー優先ではなくH優先。1Hオープンの場合はH6枚>S4枚>Cサポート>D4枚となる)・・・(2012.9.28 追加) 
     Hを優先する理由は、Hフィットがないとわかった後でもS6−2フィットを見つけることが出来るゆえである。・・・(2013.5.17 説明追加)
    2Nは、5332/5323/5233に限定される。・・・(2012.9.28 追加)

(H25.10.15追記) 解説016号により優先順位が変更になる。

#6 レスポンダーリビッドについて見てみよう。まずは何と言ってもSの3枚サポートを示すことが重要だろう。
   このビッドは最優先でなされる必要がある。

   1S−2C−X−3S S3枚のスラミッシュ(6LTC〜)
          −4S S3枚のサインオフ(7LTC)

   ・・・(2013.5.17 2Sは削除した)

#7 もう1つの共通ビッドはCが6枚有りスラムに興味があることを示すビッドで

   1S−2C−X−3C C6+枚のスラミッシュ(6LTC〜)・・・(2012.8.22 Cは単に6枚に変更)

   このビッドはパーフェクト2オーバー1の特有ビッドで、オールモストの場合と大きく異なることに注意が必要。
   こちらの方が2オーバー1としては理にかなっている(GFは確定でスラムトライにフォーカスする事が本質)。
   
#8 オープナーの2Sリビッドの後のレスポンダーリビッドは下記。

   1S−2C−2S−2N S否定(0,1枚)のキャッチオールビッド・・・(2012.8.22 変更)
           −3C C6+枚のスラミッシュ(6LTC〜)・・・(2012.8.22 Cは単に6枚に変更)
           −3D D5枚(従ってCは6枚になる)・・・(2012.9.25D5枚を示すこととする)
           −3H H5枚(従ってCは6枚になる)・・・(2012.8.22H4枚を示しても意味がないのでH5枚に変更)
           −3S S2+枚のスラミッシュ(6LTC〜)・・・(2013.10.23 6LTC〜に変更)
           −3N 1Nオープンレンジの固定ハンド・・・(2013.10.23 変更)
           −4S S2+枚のサインオフ(7LTC)
              
   S6枚の時は、S2枚あれば切り札は決まりなので、後はコントラクトを決めるのみ。(これが実に9割)・・・(2013.5.17 追加)
   2Nビッドは、1444/1345/1435/0445又はC6枚でも3Cビッド出来ないくらい弱いハンドを含む。・・・(2012.5.17 変更)
   3Nの意味変更(1444/1345/1435/0445の1Nオープンレンジ)、Sスラムは総て3Sスラミッシュ経由に変更・・・(2013.10.23 変更)
   

#9 ここで、ハンドレンジについて注記しておく。

   ミニマムレンジ      12+〜15−HCP、7LTC
   インタミディエイトレンジ 15+〜18−HCP、6LTC
   ストロングレンジ     18+〜HCP、5LTC

#10 次に2H後のレスポンダーリビッドを纏める。       

   1S−2C−2H−2S S2枚
           −2N S1−枚のキャッチオールビッド・・・(2012.8.22 変更)
           −3C C6+枚のスラミッシュ(6LTC〜)・・・(2012.8.22 Cは単に6枚に変更)
           −3D D5枚(従ってCは6枚になる)・・・(2012.9.25D5枚を示すこととする)
           −3H H4枚のスラミッシュ(6LTC〜)
           −3S S3枚のスラミッシュ(6LTC〜)
           −3N 1345のインターミディエイトレンジ
           −4C 【未使用】
           −4D 【未使用】
           −4H H4枚のサインオフ(7LTC)
           −4S S3枚のサインオフ(7LTC)

   #7との対比では、Sフィットの枚数の違いの他に、Hフィットの場合もあるのでスラムトライビッドスペースがなく、
   全てのスラムトライはスラミッシュ経由とならざるを得ない。
   2Nは1345及びC6枚で3Cビッドには弱すぎるハンドを含む・・・(2012.8.22 追加)
   4DはHフィットのスプリンターに使うことも出来る(現時点では未使用としておく)。

   ・・・(2012.8.22 以下全面追加)
   S2枚でビッドする2SはオープナーのSが6枚ある場合に備えたビッドとして設定し、その後のオープナービッドは

   1S−2C−2H−2S−2N 5422/5431/5413
              −3C C4枚サポート(5404のみ)・・・(2013.5.17 訂正)
              −3D D4枚(5440のみ)
              −3H H5枚(Sも5枚になる)
              −3S S6枚のスラミッシュ(6LTC〜)
              −4S S6枚のサインオフ(7LTC)
 

#11 2D後に対しては

   1S−2C−2D−2H H5枚(従ってCは6枚になる)・・・(2012.8.22 H4枚を示しても意味がないのでH5枚に変更) 
           −2S S3枚のミニマムオープンレンジ(但しHCPは分散)
           −2N S2−枚のキャッチオールビッド・・・(2012.8.22 変更)
           −3C C6+枚のスラミッシュ(6LTC〜)・・・(2012.8.22 Cは単に6枚に変更)
           −3D D4枚フィット・・・(2012.8.22 スラミッシュではなく単にフィットに変更)
           −3H D4枚のHスーツスプリンター
           −3S S3枚のスラミッシュ(6LTC〜)
           −3N S2−枚のインターミディエイトレンジ(バランスハンド)
           −4C 【未使用】
           −4D Dトランプのマイナーウッド・・・(2012.8.22 変更)
           −4H 【未使用】
           −4S S3枚のミニマムレンジ(但しHCPはS/Cに集中)

   2Nは通常バランスハンド(2335/2434)だが、他にビッド出来ないハンド(2425/1435)及び
   3Cビッドには弱すぎるハンドを含む・・・(2012.8.22 追加)

(H25.10.15追記) この#11は解説016号により優先順位と2H/2Sビッドが大きく変更になる。

#12 3C(3D/3Hを含む)のCフィットビッド後のレスポンダーリビッドは、ビッドスペースが不足するが、
   可能な範囲で3N及びCでのスラムに向けたビッドを用意する。

   1S−2C−3C−3D 3Nへのサインオフビッド(ストッパーに不安がある)
           −3H Cスーツのスラミッシュ(6LTC)
              −3S サインオフ(7LTC、ストッパーに不安有り)
              −3N サインオフ(7LTC、ストッパーあり)
              −4C Cスーツでのスラムトライ(KBRKC要請、6LTC〜)
              −4D CスーツのKBRKC(6LTC〜)
           −3S S3枚のスラミッシュ(6LTC〜)
           −3N サインオフ(通常アンビッドストッパー有り)
           −4C Cスーツでのスラムトライ(KBRKC要請、5LTC〜)
           −4D CスーツのKBRKC(5LTC〜)
           −4H 【未使用】
           −4S S3枚のミニマムレンジ(最速原理)

   スラムトライに関しては、通常マイナウッドとなる4C(フィット後の4C)を敢えてKBRKC(4D)を使うことにして、
   ビッドスペースを1個増やすこととした。

(H25.10.23追記) この#12は解説018号により大きく変更になる。
   又スラミッシュビッドを追加する為、3H(アナザメジャー)をCスーツのスラミッシュ(6LTC)ハンドに使用。
   Cでのスラムの可能性がない場合は3N狙いになる為、残りのビッド(3D)をストッパーに不安がある3N狙いのハンドとした。
   3Hを3N狙いの為のストッパー確認に使用する考え方もあるが、やはりスラムトライを優先したい。

   
#13 キャッチオールとした2Nは、1S−2Cの場合には5332/5323/5233のバランスハンドのみとなる。
   又ビッドスペースからストッパーの確認をすることができそうである。

   1S−2C−2N−3C C6枚フィットのスラミッシュ(6LTC)・・・(2012.8.22 Cは6枚でフィット確実の為明記&以降追加)
              −3D Cアグリーのコントロールキュービッド(6LTC〜)
              −3H Cアグリーのコントロールキュービッド(6LTC〜)
              −3S Cアグリーのコントロールキュービッド(6LTC〜)
              −3N サインオフ(7LTC)
              −4C Cアグリーのマイナーウッド(6LTC〜)
           −3D 3Nへのサインオフビッド(ストッパーに不安がある)
           −3H 3Nへのサインオフビッド(ストッパーに不安がある)
           −3S S3枚のスラミッシュ(6LTC〜)
           −3N サインオフ(通常アンビッドストッパー有り)
           −4C 【未使用】
           −4D 【未使用】
           −4H 【未使用】
           −4S S3枚のミニマムレンジ(最速原理)
   
   4C/4D/4Hが余っているのでS3枚(5LTC)のコントロールキュービッドに使えなくはないが、
   他との関係で#10同様当面未使用としておく。
   3Nは2434/2344/1444又は

   3D/3Hの使い分けは以下のようにすればストッパー確認が出来る。

   1S−2C−2N−3D Dのストッパーがない、Hは言及せず
              −3H DはあるがHはない◆2
              −3S こちらもDはない◆
              −3N DもHもある
           −3H Hのストッパーがない、Dはある
              −3S こちらもHはない◆         
              −3N Hはある
   
   ◆この後レスポンダーが選択出来ることになる(3S/4S/4C/5Cから)。
   ◆2この後レスポンダーはHにストッパーがあれば3N、なければスーツとレベル(3S/4S/4C/5C)を選択する
   筆者的にはストッパーなしでも3Nに行きたいところではある。またバランスハンドはストッパーに関係なく3Nビッドしたい。

   ストッパー無視の方針の場合は、3HはH5枚(従ってC6枚)に、3DはC5枚のスラミッシュに使用できる。・・・(2012.8.22 追加)
   この場合3Nは通常バランスハンド(2344/2434)だが、他にビッド出来ないハンド(1444)及び
   3Cビッドには弱すぎるハンドを含む・・・(2012.9.28 追加)


#14 此処までで共通に出てきた3Sスラミッシュと3Cスラミッシュに関してその後のビッドを記しておく。

   1S−2C−X−3S−3N ショートスーツアスキングビッド
             −4C Sスーツのコントロールキュービッド(6LTC〜)
             −4D Sスーツのコントロールキュービッド(6LTC〜)
             −4H Sスーツのコントロールキュービッド(6LTC〜)
             −4S サインオフ(7LTC)
             −4N SスーツのRKC(6LTC〜)

   1S−2C−X−3C−3D Cアグリーのコントロールキュービッド(6LTC〜)
             −3H Cアグリーのコントロールキュービッド(6LTC〜)
             −3S Cアグリーのコントロールキュービッド(6LTC〜)
             −3N C否定(ボロ1枚以下)又はCアグリーだがサインオフ(7LTC)
             −4C Cアグリーのミニマム(7LTC)
             −4D CアグリーのKBRKC(6LTC〜)

   3Hスラミッシュの場合は ・・・(2012.8.22 以下全面追加)

   1S−2C−2H−3H−3S ショートスーツアスキングビッド
              −3N HスーツのSコントロールキュービッド(6LTC〜)
              −4C Hスーツのコントロールキュービッド(6LTC〜)
              −4D Hスーツのコントロールキュービッド(6LTC〜)
              −4H サインオフ(7LTC)
              −4S HスーツのKBRKC(6LTC〜)

#15 3Dのフィットショウイングビッドの後については ・・・(2012.8.22 以下全面追加)

   1S−2C−2D−3D−3H 3Nへのサインオフビッド(ストッパーに不安がある)
              −3S Dスーツのスラミッシュ(6LTC)
                −3N サインオフ(7LTC)
                −4C Dスーツでのスラムトライ(マイナーウッド要請、6LTC〜)
                −4D Dスーツのマイナーウッド(6LTC〜)
              −3N サインオフ(通常アンビッドストッパー有り)
              −4C Dスーツでのスラムトライ(マイナーウッド要請、5LTC〜)
              −4D Dスーツのマイナーウッド(5LTC〜)

#15 オープナーリビッドが3Sを越える3Sと3Nについては

   1S−2C−3S−3N S否定(ボロ1枚以下)
           −4C Sアグリーのコントロールキュービッド
           −4D Sアグリーのコントロールキュービッド
           −4H Sアグリーのコントロールキュービッド
           −4S Sアグリーのサインオフ
           −4N SアグリーのRKC

   3Sリビッドのオープナーは通常5LTC以内であるため、この時点でほぼスラムトライが確定であるが、
   Sボイドやボロシングルトンではさすが厳しいかも知れないので3Nビッドを用意する。

   1S−2C−3N−4C CスーツのKBRKC要請・・・(2012.9.25 マイナーウッドからKBRKCに変更)
           −4D CスーツのKBRKC・・・(2012.9.25 マイナーウッドからKBRKCに変更)
           −4H S3枚のスラムトライ
           −4S S3枚のサインオフ
           −4N 6Nインビテーション

   4Nが6Nインビテーションとなる為、S3枚のスラムトライはアナザメジャーの4ビッドで行う。

1S−2C以外については(その3で纏める)


2013.10.23 ハーディー教解説018号に基づく変更箇所を明記。
2013.10.15 ハーディー教解説016号に基づく変更箇所を明記。
2013.5.17 2H優先に伴い一部修正
2012.11.6 オープナーリビッドの優先順位をH優先に変更
2012.9.25 未使用だった3DをD5枚として活用、1S−2C−3N後のCスラムトライをマイナーウッドからKBRKCへ変更
2012.8.22 種々修正及び1S−2Cに限定(他はその2へ)
2012.5.7 1S−2C以外の1M−2mについて追加記載。
2012.5.5 #12の記載一部変更
2012.4.19 新規作成