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2オーバー1ビッド解説(その4:マイナースラムトライの考察)
                                                 ハーディー教解説0018号

#1 2/1にてスラムをサーチするとき、メジャースーツは3Mビッドでスラミッシュを表すことが出来る。
   それはスラミッシュではないミニマムの場合は即ゲームビッドすること(速達原理)が出来るからである。

#2 マイナースーツはそれが出来ない。3mをスラミッシュにしても4mでミニマムを示すわけにはいかない。
   通常マイナーの場合のミニマムは3Nをビッドすることが多いが、3Nビッドではマイナーフィット示すことは出来ない。
   この為、3mビッドはスラミッシュではなく、強さは限定しないでフィットのみを示すことになってしまう。
   更に、以降のビッドでは弱い場合には3Nビッドの可能性を残す必要があり、更にビッドスペースを狭くする。
   (更に更に3mを通り越しての4mビッドは通常マイナーウッドにするのが一般的であろう)

#3 しかし、何とかこのスラムトライにおいてある程度のコントロール確認をする手立てはないものだろうか。
   現状のハーディ教システムでは、単に自らアスキングする場合と相手からアスキングをさせる場合を設ける
   (例:Dスーツの場合、4Cは相手にマイナーウッドを要請する、4Dはマイナーウッド)にとどまっている。
   これは単に気休めにすぎないのではないだろうか。(両者不安がある場合に諦める、だけ)

#4 1S−2D−3Dを例にとって考えてみる。このシーケンスでは最早、SとDにのみ関心があり、HとCに興味はない。
   (一部レスポンダーH5枚(この場合Dは6枚)、オープナーH3枚でのHフィットが存在するが確率的に無視する)
   従ってSフィットを除くとHとCのビッドスペースをDのスラムトライに使うことが出来る。
   またSコントロールを仮定することで、コントロール確認もHとCにフォーカスしてよいのではないだろうか。

#5 この考えに基づいて構築を試みる
   ビッドスペースを拡げる観点からマイナーウッドではなくキックバックRKCを採用し、3HをDのスラミッシュとして使用する。

   1S−2D−3D−3H  Dのスラミッシュ(6LTC以上)
           −3S  S3枚のスラミッシュ
           −3N  サインオフ(7LTC)
           −4S  S3枚のサインオフ

   レスポンダーが5LTC以上でもスラミッシュとして扱い、直接アスキングするオプションは設けない。

#6 1S−2D−3D−3HのDのスラミッシュ(6LTC以上)後のオープナービッドは下記となる。

   1S−2D−3D−3H−3S  【未使用】
              −3N  サインオフ(7LTC)
              −4C  スラムトライキュービッド(6LTC以上、CコントロールありHなし)
              −4D  スラムトライキュービッド(6LTC以上、CコントロールなしHあり)
              −4H  キックバックRKC(6LTC以上、C/Hともコントロールあり)

#7 又メジャーでは速達原理でゲームビッドした際には、
   パートナーがそれでもスラムトライ出来るだけの強さがあった場合のアスキングビッドは
   コントロール確認なしでせざるえないわけであるが、マイナーの場合にはそれが3Nであるゆえ、
   逆にコントロール確認のスペースが確保できることになる。

#8 オープナー又はレスポンダーの3Nでのサインオフの後、レスポンダー又はオープナーが5LTC以上で同様にトライできる。

   1S−2D−3D−3H−3N−P    6LTC以下
                 −4C  スラムトライキュービッド(5LTC以上、CコントロールありHなし)
                 −4D  スラムトライキュービッド(5LTC以上、CコントロールなしHあり)
                 −4H  キックバックRKC(5LTC以上、C/Hともコントロールあり)

   1S−2D−3D−3N−P    6LTC以下
              −4C  スラムトライキュービッド(5LTC以上、CコントロールありHなし)
              −4D  スラムトライキュービッド(5LTC以上、CコントロールなしHあり)
              −4H  キックバックRKC(5LTC以上、C/Hともコントロールあり

#9 なお、2スーツの両方にコントロールがない場合はどうするのかという問題は無視する。
   また、1H−2D−3Dについては、上記の1S−2D−3DのシーケンスででSとHを入れ替えることで成立する。
   1D−2C−2D−3Dについては、スラミッシュとして3H/3Sどちらも使える。(とりあえず3Hを使用しておくことにする)
   1D−2C−2N−3Dについても同様である。

#10 その他Dスーツフィットには各種のシーケンスがあるが、
    これらについてはアンビッドスーツが1個以下になる為コントロール確認が1スーツのみ又は不要になる。
    (アンビッドスーツ以外はコントロールありとみなす仮定を踏襲する場合の話であるが)
    しかしそれらについては、オープンスーツ以外はビッドスーツでもコントロール確認することで統一する。

#11 次にCスーツの場合であるが、キックバックRKCを採用しても3Nより上はビッドスペースが2個しかない。
    これを回避するために、サインオフビッドとしての3Nを別の下のビッドで代用する必要がある。
    3Sでスペースは3つ確保できるが、3Nに戻す為のスペースが必要になるため3Hまで下げることが不可欠である。
    すなわち1S−2C−3Cを例に検討してみると、

    1S−2C−3C−3D  Cのスラミッシュ(6LTC以上)
            −3H  サインオフ(7LTC)
            −3S  S3枚のスラミッシュ
            −3N  【未使用】
            −4S  S3枚のサインオフ

#12 3DによるCのスラミッシュ(6LTC以上)後のオープナービッドは下記となる。

    1S−2C−3C−3D−3H  サインオフ(7LTC)
              −3S  スラムトライキュービッド(6LTC以上、DコントロールありHなし)
              −3N  【未使用】
              −4C  スラムトライキュービッド(6LTC以上、HコントロールありDなし)
              −4D  キックバックRKC(6LTC以上、D/Hともコントロールあり)

    ここでもサインオフビッドとして3Nに替えて3Hを用いる。
    また結果としてスラムトライキュービッド後にも3Nに止まれるケースを有する。

#13 3Hでのサインオフビッドの後、パートナーが5LTC以上の場合には

    −3H−3S  スラムトライキュービッド(5LTC以上、DコントロールありHなし)
       −3N  サインオフ(6LTC)
       −4C  スラムトライキュービッド(5LTC以上、HコントロールありDなし)
       −4D  キックバックRKC(5LTC以上、D/Hともコントロールあり)

    その他のCフィットシーケンスに対しても同様の考え方になるが、3Nに替え3Hを用いる必要がある為、
    3Hを別の意味に使う必要がある場合には適用出来ない。1H−2C−3Cの場合がそれに当たる。

#14 1H−2C−3Cに対しては、サインオフ後のスラムトライはコントロール確認を一部諦める。
        
    1H−2C−3C−3D  Cのスラミッシュ(6LTC以上)
            −3H  H3枚のスラミッシュ
            −3S  【使用しない】
            −3N  サインオフ(7LTC)
               −4C  スラムトライキュービッド(5LTC以上、DコントロールありSなし) 
               −4D  CトランプのキックバックRKC(5LTC以上、SコントロールありD不問)
            −4H  H3枚のサインオフ

    1H−2C−3C−3DのCのスラミッシュ(6LTC以上)後については3Hが使えるので、#12と同様に下記と出来る。

    1H−2C−3C−3D−3H  サインオフ(7LTC)
                  −3S  スラムトライキュービッド(5LTC以上、SコントロールありDなし)
                  −3N  サインオフ(6LTC以下)
                  −4C  スラムトライキュービッド(5LTC以上、DコントロールありSなし)
                  −4D  キックバックRKC(5LTC以上、S/Dともコントロールあり)
               −3S  スラムトライキュービッド(6LTC以上、SコントロールありDなし)
               −3N  【使用しない】
               −4C   スラムトライキュービッド(6LTC以上、DコントロールありSなし)
               −4D  キックバックRKC(6LTC以上、S/Dともコントロールあり)

#15 特殊ケース例として1S−2C−3Hのスプリンターのケースは下記となる。

    1S−2C−3H  CサポートのスプリンターでHショート(6LTC限定)
            −3S  Sフィットのスラミッシュ(6LTC又はHに点がなければ7LTCでも)
            −3N  サインオフ(Hに点のある7LTC)
            −4C  Cスーツのキュービッド(Dコントロールなし、5LTC又はHに点がなければ6LTCでも)
            −4D  CスーツのキックバックRKC(Dコントロールあり、5LTC又はHに点がなければ6LTCでも)
            −4S  Sフィットのスーツのサインオフ(Hに点のある7LTC)


2013.11.1 #14もキックバックに変更(統一)、#15の一部訂正
2013.10.27 Cスラムトライについて変更(#11−#14)
2013.10.23 新規作成