■関連解説 解説014号 ボイドショウイングレスポンス                 ビッドTOP
   RKCアスキングビッド ベースケース
                                     ハーディー教解説008号	
	
RKCによるKCアスキングビッドについて纏める。
4NTによるアスキングはSスーツの場合には完備しているので、これを例とする。
その他のスーツについては、Sの場合を基本として説明を加えることとしたい。
便宜上、アスキング側を主人、回答する側を使用人と表示する。

#1 4NTはパートナーのKC枚数を聞くビッドで、4AとSKの5枚のKC枚数を下記にて回答する。
     5C 0又は3KCあり           
     5D 1又は4KCあり        注:5Cと5Dを逆にして使う方法がはやっているが無意味
     5H 2KCあるがSQはない
     5S 2KC+SQあり

#2 5C/5Dの回答の後、主人の5Sはサインオフであるが、
   これに対して使用人が3KC又は4KC持っている場合には6Sに上げる必要がある。
   これは主人は、使用人が0KC又は1KCしか持っていないと思ってサインオフしている可能性が高いからである。
   この為通常主人はアスキングに際しては少なくとも1KC所持していることが必要条件となる。

#3 4NTに対する回答の結果、5KC揃った場合は5NTにより使用人のサイドスーツKを聞くことが出来る。
   5NTアスキングは従ってグランドスラムトライであり、5KC揃っていることが条件である事に注意が必要。

#4 これに対し使用人はグランドスラムがある場合には7Sをビッドして良い。
   自ら判断がつきかねる場合はサイドスーツKを下記にて答える。
      6C CKあり(DK又はHKについては言及していない)
      6D DKあり、但しCKはない(HKについては言及していない)
      6H HKあり、但しCKもDKもない 
      6S サイドKはない
      7S 3Kある(全てのサイドスーツにKがある)

#5 最後の3K揃っている場合の7Sは5NTアスキングがグランドスラムトライであることから正当化される。
   なお、このビッドは7Sではなく6NTでもよいという考え方もあるが、筆者は賛成しない。

#6 使用人の回答が6Hの場合は全ての情報が伝わったので後は主人の判断のみであるが、
   6Dの場合にはまだHKの情報が必要な場合もあり、その場合は6HがHKのアスキングビッドになる。 
   使用人の回答は当然、HKが無い場合は6S、あれば7Sである。

#7 さらに5NTへの使用人の回答が6Cの場合は、6DでDKを、6HでHKを聞くことが出来る。
   どちらも回答は、あれば7S、なければ6Sであるが、
   6Dに対しては、DKが無い場合でもHKがあれば6Hでこれを示す。
   従ってどちらかのKが一つあればよいという場合は5Dによるアスキングとなる。

#8 4NTによるアスキングの後、5NTを経由しない6の台のスーツビッドはそのスーツのQアスキングになる。
   これは当然グランドスラムトライなので、Qがあれば7Sなければ6Sで回答する。
   このビッドをQアスキングではなくキュービッドにする考えもあるが、当面はアスキングを採用したい。

#9 4NTへの使用人の回答が5C/5Dであった場合、一つ上のビッドでSQを確認することが出来る。
   この回答には、SQありなしに加えてSQがある場合にサイドスーツKを知らせるビッドがありこれを採用する。
   基本的にはQアスキングもグランドスラムトライであることに注意が必要。

#10 回答はSQなし、SQアリの場合はKなしとKの位置3種と、更に3K揃っている場合の計6ステップ。
    4NT−5D−5Hの場合は低い側から6ステップを採用すれば下記となる。

     4NT−5D−5H−5S SQなし
              −5N SQありサイドKなし
              −6C SQありCKあり
              −6D SQありDKあり、CKなし
              −6H SQありHKあり、CK・DKなし
              −6S SQあり3Kあり

    しかし、ビッドスペースが余っていることから、更に下記とすれば5NTへの回答と全く同一になるので
    使いやすい(覚えやすい)かもしれない。ハーディ教ではこちらを採用する。

     4NT−5D−5H−5S SQなし
              −5N (使用しない)
              −6C SQありCKあり
              −6D SQありDKあり、CKなし
              −6H SQありHKあり、CK・DKなし
              −6S SQありサイドKなし
              −7S SQあり3Kあり

#11 4NT−5C−5Dの場合は、5Hと言うビッドスペースが増えるので、更にオプションが増える。
    可能な限りビッドスペースを低くする(この期に及んでどんな意味があるかは疑問だが)場合には
    スーツを無視して全てをステップで決めるやり方もある。

    また、上記#10とのアナロジーで5Hを活用するやり方もあるが、ビッドスペースが余っているだけで
    特にその余ったスペースが有効に活用できるわけでもないので、
    筆者としては、この場合も4NT−4D−5Hの場合と全く同じ回答としておくのが良いと思う。

   ⇒後で述べるキックバックやマイナーウッドの場合も含めて考えると、
    「Qアスキングはサインオフにならない直ぐ上のビッド」ではなく
    「サインオフにならないKアスキングビッドの直ぐ下のビッド」と決めても良いと思われる。
    (ここでは、4NTの答えが5Cでも5Dでも5HはQアスキング(4NTの答えが5Cの場合は5Dも)とする。)


以上のビッド展開の詳細は「ビッドの友」を参照されたい。
なお、その2ではSスーツ以外の場合、キックバック、マイナーウッド等について纏める、
又その3ではエキスクルーシブRKCについて言及する。

2004.3.8 #11に一部追記(Qアスキング改定)
2008.1.26 #11でQアスキングに自由度を持たせるよう修正(但し、回答は全て同じ)
2008.6.16 ボイドショウイングレスポンスを別資料に分割