■関連解説 解説008号
RKCアスキングビッド(その2)マイナーウッドとキックバック
ハーディー教解説010号
RKCの次のテーマは、S以外のスーツである。
これについては3種類の整理が必要である。キックバック、マイナーウッド、4NTアスキングの3つ。
4NTアスキングはキックバック、マイナウッド採用にも関わらず4NTでのアスキングを使用せざるを得ない局面、
又はキックバックを採用しない場合の使用方法を決めるものである。
#1 先ずはキックバックから。
キックバックの成立条件は別にして、成立した場合のビッドシーケンスは
基本的にはSスーツの4NTアスキングと同じで、ビッドを一つづつずらせるのみである。
#2 Hスーツは4Sで、Dスーツは4Hで、Cスーツは4DでそれぞれKCアスキングビッドとする。
Dスーツの場合を例に説明を加えると、4Hのアスキングビッドに対して使用人の答えは
4H−4S 0又は3KCあり
−4NT 1又は4KCあり
−5C 2KCあり、CQなし
−5D 2KC+CQあり
#3 この後のKアスキングは5Hを使って以下となる。ここでNTをHスーツの変わりに使用することになるが、
これは、NTはアスキングスーツの代わりとなる、と覚えるとよい。
5H−5S SKあり
−5NT HKあり、SKなし
−6C CKあり、SK/HKなし
−6D サイドKなし
−7D 3Kあり
#4 一方Qアスキングは、5Cを使って下記となる。ここでKアスキングとは答え方が異なってくるが、
これは5NTを使わなくても全てナチュラルスーツで表すことができるスペースがある為である。
5C−5D Qなし
−5H Qあり、HKあり
−5S Qあり、SKあり、HKなし
−5NT (使用しない)
−6C Qあり、CKあり、HK/SKなし
−6D サイドKなし
−7D 3Kあり
なお、マイナースーツの場合、KCが3枚しかなくてスラムを諦める場合、
5Dよりも4NTを選ぶことが出来る場合には選べるように、Qスキングは5Cのみとする。
(ビッドスペースの関係で、Cスーツの場合の4D−4S−4NTのみQアスキングになる)
#5 ボイドショウイングレスポンスをする場合についても、同様に表すことができる。
発展型、Dスーツの場合を例示しておくと
4H−5H 2KC+V
−5S 1,3KC+V及び低いランクのサイドスーツKあり
−5NT 1,3KC+V及び高いランクのサイドスーツKあり
−6C 1,3KC+V及び0,2サイドスーツKあり、CQなし
−6D 1,3KC+V及び0,2サイドスーツKあり、CQあり
であり、5S/5NTに対しては6CでDQの有り無しを聞く事ができる。
また5Hに対しては下記にて、Qアスキング及びKアスキングできる。
5H−5S Qアスキング
−5NT Qあり、サイドスーツKなし又は低いランクのKだけあり
−6C Qあり、高いランクのKだけあり
−6D Qなし
−7D Qあり、サイド2K共にあり
−5NT Kアスキング
−6C 1K
−6D 0K
−7D 2K
Kアスキングに対しては、サイドKの枚数しか表すことが出来ない。
Qアスキングの場合、5NTに対してはやはり6Cで低いランクのKの有り無しを聞く事ができる。
#6 これらを全スーツについて、キックバックRKCアスキングビッド比較表にまとめておく。
#7 次にマイナーウッド。
これも成立条件は別にして、成立した場合のシーケンスは基本的にキックバックよりもひとつビッドが低くなるだけ。
アスキングスーツはCは4C、Dは4Dとなり、同じくDスーツを例にとって説明すると
4D−4H 0又は3KCあり
−4S 1又は4KCあり
−4NT 2KCあり、CQなし
−5C 2KC+CQあり
#8 この後ののKアスキング及びQアスキングに関しては、5C,5Dがサインオフビッドとなるため必然的に
キックバックと全く同じビッドになる。
但しQアスキングに関してはスペースが増える為Cスーツに関しても4NTを使う必要はなくなる。
#9 また、ボイドショウイングレスポンスに関しては、ビッドスペースが増えるため、これを活用すると下記が考えられる。
同じくDスーツの場合(キックオフ対マイナーウッド)、
4D−4H 0、3KC (キックバックの場合)
−4S 1、4KC 4H−4S 0、3KC
−4N 2KCーQ −4N 1、4KC
−5C 2KC+Q −5C 2KCーQ
−5D 2KC+V −5D 2KC+Q
−5H 1KC+V+0K −5H 2KC+V
−5S 1KC+V+1K(LK) −5S 1KC+V+1K(LK)
−5N 1KC+V+1K(UK) −5N 1KC+V+1K(UK)
−6C 1KC+V+2K−Q −6C 1KC+V+0,2K−Q
−6D 1KC+V+2K+Q −6D 1KC+V+0,2K+Q
5H/5S/5Nに対しては6CでQアスキングができ、5D(2KC+V)の場合もビッドスペースが広がり下記となる。
(Kアスキング) (Qアスキング)
5D−5H−5S Qなし
5D−5S−5N 1K(LK) −5N 1K(LK)(Qありで)
−6C 1K(UK) −6C 1K(UK)(Qありで)
−6D 0K −6D 0K(Qありで)
−7D 2K −7D 2K(Qありで)
#11 マイナーウッドについても、マイナーウッドRKCアスキングビッド比較表にまとめておく。
#11 ここでマイナウッドの成立条件及びキックバックの成立条件についてまとめておく。
マイナウッドの成立条件として最もアグレッシブなものは、4C/4Dを全てマイナウッドにするというものであり、
最も保守的なものはインバーティッドマイナーの後だけをマイナーウッドとすると言うものである。
#12 筆者がこの最もアグレッシブなケースを採用してトライアルをしてみた結果得られた結論は、
(1)マイナースーツフィットが確認された後の4C/4Dビッドはマイナーウッドとする。
(2)4C/4Dビッドで始めてフィットが示される場合は、ジャンプ4C/4Dのみをマイナーウッドとする。
と言うものである。例を挙げると
1C−1S−2D−3C−4C はマイナーウッドである
1C−1S−2C−4C はマイナーウッドである
1C−1S−3C−4C はマイナーウッドにならない
#13 問題はキックバックの成立条件である。
キックバックはこれまであまり使ったことがないので、マイナーウッドと同じように、決めてやってみるしかない。
がマイナーウッドとのアナロジーでトライアルとして下記を設定することにする。
#14 まずHスーツの場合、
(1)Hフィットが確認されてトランプであることが確実な場合における4Sビッドはキックバックである。
(2)4Hビッドで初めてフィットが示される場合で、4Hビッドした場合
4Hがサインオフとなってしまうシーケンスにおける4SビッドはHスーツのキックバックである。
但し、4SビッドがSのサインオフとなる解釈がありえない場合。
#15 次にマイナースーツであるが、マイナースーツの場合はマイナーウッドがあるので、
スーツ確定した後はマイナーウッドを使うことになるゆえ、キックバックの成立条件は
(1)4C/4Dビッドで初めてフィットが示される場合で、
4C/4Dビッドがマイナーウッドにならないシーケンスにおける4D/4Hはそれぞれキックバックである。
但し、4D/4HビッドがそれぞれD/Hでのサインオフビッドとなる解釈がありえない場合。
(2)4C/4Dビッドで初めてフィットが示された場合で4C/4Dビッドがマイナーウッドにならなかった場合、
その後の4D/4Hビッドはそれぞれキックバックである。
以上の考え方で今後サンプルを集めることとする。
4NTによるアスキングについては別途まとめる(予定)。
2007.6.30 新規作成
2007.9.11 一部誤記訂正・表現訂正
2008.1.28 例示をDスーツに変更し全スーツ比較表等拡充。マイナースーツにおける4NT(to play)オプション追加。
2008.1.30 #15(2)追加