■関連解説
MTWS−オープナーの1NTリビッド後のビッドについて
ハーディー教解説0011号
オープナーの1NTリビッドは形も強さも限定するビッド(12+〜15−のBH)であることから、これまでニューマイナー
フォーシング以外のコンベンションは採用せず、原則論でのビッドに終始してきたが、ビッドスペースの有効活用という、ハーデ
ィー教の源泉とも言うべき要求を抑えきれなくなり、ハーディー教におけるツーウェイレスポンスビッドとして、MTWS
(Modified Two Way Stayman)ビッドを採用し解説することとした。
このコンベンションは、基本的に2C/2Dをアーティフィッシャルビッドとして使うことからツーウェイステイマンという命
名がされていると思われるが、その真髄はメジャーフィットを見つけることにのみあるのではない。
又この考え方自体は、1NTオープナーリビッドだけに留まらず、1の台のオープナーリビッド全てに拡張出来る可能性がある。
それについては別名X−Y−Zと呼ばれるコンベンションがあり、これについても若干触れる。
#1 オープナーの1NTリビッドのパターンは6種。1m−1M−1Nが4種に1C−1D−1Nと1H−1S−1N。
この内1m−1Mが標準になり、他の二つは少し特殊になる。
1C−1S−1Nを例として以下話を進める(これが例外がなく典型)。
#2 MTWSの基本的な着眼点は下記3つ。これは原則として理解しておくことが必要。
(1) 2Cはアーティフィッシャルで2Dへのパペット。オープナーへ2Dビッドを強要するが、基本的にはインビテーショ
ンハンドを示す。
(2) 2DはアーティフィッシャルでGF。基本的にはメジャーフィットのチェックを主眼とする。
(3) ジャンプビッドはリバーススーツを除き全てリアル且つ良いスーツを示し、スラムを視野に入れたGF。(3Cを除く)
#3 1C−1S−1N−2C−2D後のレスポンダービッドは下記の意味になる。
1C−1S−1N−2C−2D−P 基本的にはインビテーションであるが、Dが長いだけのミニマムハンドの場合にも使
うことが出来る。
−2H S5枚H4枚
−2S S5+枚
−2N C4枚ある3NTインビテーション
−3C C5枚S4枚
−3D D5枚S4枚
−3H S5枚H5枚
−3S S強い6枚
3Sより上のビッドについては後述する。
マイナースーツ5枚で且つSも5枚の場合はまず2SでS5枚を示してから3C/3Dビッドする。
#4 ここでの特徴は、
(1) ニューマイナーフォーシングでは表せなかった54メジャーと55メジャーのインビテーションが区別して表せる。
(2) 1NT後直接の2NTと2C経由の2NTで、Cサポートのあり無しを区別し、オープナーに3Cでやれるオプション
を用意できる。
(3) S5枚ない場合に2NT以外のオプションを用意できる。
#5 1C−1S−1N−2DはGFで基本的にメジャーチェックを意図するが、レスポンダーメジャー5枚を保証する必要はない。
オープナーはメジャーチェックであるとして回答するが、既にGFであるのでニューマイナーの場合のようにジャンプして強さ
を示す必然性はない。従ってジャンプビッドは本当に強い場合のみに限り、通常は点数によらずレスポンダーメジャーの枚数を答える。
#6 1C−1S−1N−2Dのあとのビッドは
−2H H4枚
−2S S3枚
−2N S2枚H3枚
#7 ジャンプビッドについては3CはCが長いだけのサインオフであるが、それ以外はリバースにならないスーツは全て、リアル且
つ強いハンでスラムを視野に入れたフォーシングビッドとなる。Cスーツの場合のスラム視野は2D経由にせざるを得ない。
#8 本コンベンション採用によるデメリットは2Cコントラクトが不可になることであるが、まあ2Cでやらせて貰える事も先ずな
いだろうし、代わりに2Dが可能になることでキャンセルアウトできると思われる。つまりメリットの方が圧倒手的に多い。
#9 残りのノンジャンプスーツビッドは下記の意味となる。
1C−1S−1N−P 無論パスもあります。
−2H H4S5枚のミニマム
−2S S6枚のミニマム
−2N 3Nインビテーション、但しCは4枚無い
#10 3N以上のビッドについても1NT後の直接ビッドと、2C経由のビッド及び2D経由のビッドの3種類が使えることから、各種の使い分けが出来る。
これについては次回。
以上。その他の1m−1Mは基本的には1C−1S−1Nと同様であろうと思われる。
1C−1D−1N及び1H−1S−1Nについてはかなり異なる部分が出てくると思われる。
これらについてもXYZと合わせて(その2)にて。
2008.6.18 #8、#10の一部を修正