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RKCアスキングビッド(追加)4NTによるアスキング
                                      ハーディー教解説012号 

RKC検討の追加として、Sスーツ以外のスーツに対する4NTアスキングについて纏める。

#1 Sスーツ以外にも一貫して4NTをRKCアスキング使う場合には、ビッドスペースが完備していないため、
   制約があることを理解して使う必要がある。
   通常の回答に対しても制約がかかるので、ボイドショウイングレスポンスは採用しないこととする。

#2 まずHスーツについて考える。
   4NTに対する回答で5Hを越してしまうのは、5Sの回答があるケースのみである。
   この場合、すなわち2KC+Qで困るケースは主人には1KCしかなくてQも持っていない場合である。
   逆に言うとこれ以外、すなわち2KC以上持っているか又は、1KCの場合にはQを持っている場合には
   何ら問題は生じない。4NTアスキング制約条件は下記となる。

   (1)2KC以上持っていること
   (2)1KCの場合はQを持っていること  
   (3)1KC−Qの場合は、仕様人が3KC以上持っていることが確実な場合  
  
#3 問題はこのあと、5KC揃ってグラスラトライする場合である。
   Sスーツの場合と同様の5NTでのKアスキングは、やはリビッドスペースが足りなくて制限がかかる。
   しかしながら、Kアスキングビッドは何も全てを5NTに統一する必要はない。
   そこで、Kアスキング(及びQアスキング)を、4NTに対する回答によってそれぞれ使い分けることにする。
   基本的には、サインオフにならないビッドで下からQアスキング、Kアスキングをする事を基本にする。

#4 Hスーツの場合をまとめると

      4NT−5C  0,3KC
            −5D  Qアスキング(この後はキックバックと同じ)
            −5H  サインオフ
            −5S  Kアスキング(この後はキックバックと同じ)
         −5D  1,4KC
            −5H  サインオフ
            −5S  Qアスキング(枚数回答)
            −5NT Kアスキング(枚数回答)
         −5H  2KC−Q
            −5S  Kアスキング(この後はキックバックと同じ)
         −5S  2KC+Q(#2の制限付)
            −5NT Kアスキング(枚数回答)

#5 キックバックより更に1つ上のビッドによるQ又はKアスキングの回答は、K枚数のみとする。
   この回答の仕方を「枚数回答」と呼ぶことにする。
  
      5S−5NT Qなし
        −6C  QありでKは1枚    5NT−6C  Kは1枚
        −6D  QありでKは2枚       −6D  Kは2枚
        −6H  QありでKはなし       −6H  Kはなし
        −7H  QありでK3枚        −7H  K3枚

#6 Dスーツの場合も制約条件が多くなるが同様の考え方とする。
   4NTアスキングに対する制約は、5H,5S共に5Dを越してしまうことから、

   (1)2KC持っていること
   (2)1KCの場合は使用人に3KC以上あることが確実な場合。

      4NT−5C  0,3KC
            −5D  サインオフ
            −5H  Qアスキング(枚数回答)
            −5S  Kアスキング(枚数回答)
         −5D  1,4KC
            −5H  Qアスキング(枚数回答)
            −5S  Kアスキング(枚数回答)
         −5H  2KC−Q(制限付)
            −5S  Kアスキング(枚数回答)
         −5S  2KC+Q(制限付)
            −5NT Kアスキング(制限付枚数回答)

#6 Kスキングビッドが枚数回答の場合よりも更に1つ上のビッドでしか出来ない場合の考え方は
   (制限付枚数回答と称す)

      5NT−6C  Kは1枚
         −6D  Kはない
         −6H  Kは2枚(制限付)
         −7D  Kは3枚

   ここで6Hの回答は既に6Dを超えている。従ってこのアスキングビッドをするには下記制約がある。

   (1)サイドスーツのKを1枚持っていること
   (2)サイドスーツのKがない場合は、使用人が2枚持っていたら7Dにいけるか或いは6NTが出来ること。

#7 Cスーツの場合は更に制約条件が多くなるがやはり同様の考え方とする。
   4NTアスキングの制約条件は、5D,5H,5Sとも5Cを超えてしまうことから、

   (1)3KC持っていること
   (2)2KCの場合は使用人に2KC以上あることが確実な場合
   (3)1KCの場合は使用人に3KC以上あることが確実な場合

      4NT−5C  0,3KC
            −5D  Qアスキング(枚数回答)
            −5H  Kアスキング(枚数回答)
         −5D  1,4KC(制限付)
            −5H  Qアスキング(制限付枚数回答)
            −5S  Kアスキング(制限付枚数回答)
         −5H  2KC−Q(制限付)
            −5S  Kアスキング(制限付枚数回答)
         −5S  2KC+Q(制限付)
            −5NT Kアスキング(更に制限付枚数回答)   

#8 Kアスキングビッドが#6の制限付枚数回答よりも更に1つ上でしかアスキングできない場合の考え方は

      5NT−6C  Kはない
         −6D  K1枚(制限付)
         −6H  K2枚(制限付)
         −7C  K3枚

    ここで6Dも6Hも6Cを超えた回答である為、このKアスキングをするには下記制限がある。

    (1)サイドスーツのKを2枚持っていること
    (2)サイドスーツのKが1枚以下のときは、使用人が1枚持っていたら7Cが出来るか6NTが出来ること

                                              −以上−

2008.2.3 新規作成